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新刊情報

オーナーのための自社株承継完全バイブル

オーナーのための自社株承継完全バイブル
著者名:野尻 剛
発行日:2018年8月27日
税込価格:3500円+税

戦略コンサルタントに身をおき20年近く経ちました。
この間、様々なテーマのコンサルティングを行ってきましたが、初期の頃から今日まで一貫して手掛けてきたテーマが「事業承継」です。
当初、事業承継と言えば税理士等の専門家が取扱う領域であり、戦略コンサルタントで事業承継を支援している方は皆無だったと思います。私は公認会計士というバックボーンがあったため、事業承継にも携わるようになったのですが、社内にお手本となるコンサルタントも居なく、外部の会計事務所と協働しながらのスタートでした。

最初のプロジェクトで私は一種のカルチャーショックを受けました。「株価が高いので株価を引下げる」クライアントからも、一緒に支援していた会計事務所からも、殆どその話しか出なかったためです。
通常、戦略コンサルタントはクライアントの売上高や利益を増やし、企業価値を高めることをお手伝いします。しかし、事業承継では逆のことが望まれました。もちろんそれは相続税対策のためという明確な理由があるわけですが、「税金が減ってもそれ以上に損をしたら意味がない」そのように強く感じました。
また、事業承継という経営者の世代交代をテーマにしているのにも係わらず、自社株承継の話しか出てこない状況に「経営をどう承継していくのか、事業をどう承継していくのかといった本来最も大事な部分が疎かになっている」という違和感も強く感じました。

一方で、経営者の世代交代というタイミングのコンサルティングは、非常に興味深く感じることがありました。それは「会社とは何だろうか?」という極めて根源的な疑問です。会社はゴーイングコンサーン、何十年、何百年と続きます。しかし、そこで働く人々は生身の人間ですから長くても40年程で移り変わって行きます。それは経営者に限らず、組織のあらゆる階層で起きるわけですが、それでも会社は会社として続きます。著名な会社名を聞けば何かしらのイメージを抱くように、会社は正に1つの「人格」として存在します。その人格、コーポレートブランドと換言しても良いですが、それがどこから形成され、どの様に変化するものなのか、経営者の交代はどの位のインパクトを持つものなのか、興味は尽きませんでした。

その興味から私は「次世代への経営承継」という言葉を使うようになりました。事業承継=自社株承継というイメージが強すぎたためです。もちろん自社株承継も大切ですが、経営をどう引継いで行くかも同じく大切である、両輪のような関係だと問い続けました。
そのため、私の事業承継コンサルティングの実績は、単なる自社株対策だけではなく、経営基盤の強化、後継者の選出・育成、事業ノウハウの承継、グループ組織再編といった経営承継に係るテーマを、時代の認識を先取りする形で蓄積してきました。単なる自社株対策であれば、それを専門とする税理士法人の方が詳しく、実績もあると思います。しかし、自社株承継と経営承継の両輪を長年支援してきた「実践知」が私にはあると自負しています。
本書ではその「実践知」を豊富な事例を基に解説しています。事例はすべてこの20年間でコンサルティングを通じて見聞きした生きた事例です。学術的に見れば綺麗な体系化は出来ていないかもしれませんが、その分実践的なバイブル、本書片手に当社でも真似してやってみようかという内容に仕上がっていると思います。